【技とPR】
木地の持ち味を活かし、扉の中に寺院を現す。
家庭に仏壇を置くのが、一般的になったのは
徳川八代将軍吉宗の頃からと言われております。
当時は、指物師や仏師が仏壇を作っていたようです。
東京仏壇の素材となるのは主に黒檀、本紫檀などの唐木材です。
唐木材を使い始めたのは、嘉永年間頃からとつたえられ、近年では
屋久杉などを使うこともあります。
これらの木材は乾燥度が重要です。
適度に乾燥した木材でないと、年数が経ってから
つなぎ目に隙間ができたり、ヒビが入ったりしてしまう。
仏壇造りでは、「もりつけ板」とよばれる、
それぞれの部品の寸法を書き込んだ一枚の板が図面になります。
これを見ながら木材を削り、部品ごとに形にしてゆきます。
内部の装飾は、寺院を模したもの。
内部の細かな部品から造りはじめ
最後に外側に本体部分を造り、塗ってから組み立てます。
装飾の細かい彫りや塗りは専門の職人に任せますが
最後に、多くの部品を組み立てるので、
もりつけ板と照らし合わせながら幾度も確認をします。
もりつけ板には、細かいニュアンスまでは書き込まれてはいませんので
職人さんの個性も出ます。
最近では、狭いスペースでも置ける薄型の仏壇を求める人が多いようです。
部品の一部。
仏壇内部の天井に飾る、宮殿部品
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高さ五尺
桑宝相華唐草障子
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東京仏壇は黒檀などの唐木材の木地(木目)を
そのまま生かして江戸気質をよく表した簡素で荘厳な
美しさをそなえています。
また、入念な昔ながらの手造りの技法を用いているので
子孫代々まで伝えられる堅牢な品質もその特徴としています。
東京仏壇の材料には
1)くるいがない
2)虫がつきにくい
3)丈夫
4)木目がきれい
という、4点を考慮し
黒檀材、紫檀材、桑才、欅材、花梨材、屋久杉材、タモ材が使われます。
東京仏壇は4つの製造工程があります。
・木地行程:木取り>荒削り>張り合せ>中削り>留切り>面取り>枠組み>仕上>木地組み立て
・彫刻工程:下絵書>ミシン挽き>中彫>仕上
・塗り工程:木地調整>目止め>着色>下塗り>下とぎ>中塗り>上塗り>上とぎ>摺り漆塗り
・組立工程:上記の部材を最終的に組み立て上げる
東京仏壇に欠かせない唐木材が使用されたのは
江戸仏師三代目安田松慶が嘉永年間の
1840年頃からと伝えられています。
木地本来の持ち味を生かしたもので古典的な優美さがあり、
その上実用本位に丈夫で
長持ちする仏壇を丹念に手造りしたのが今日の東京仏壇です。
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