鼈甲業は約400年におよぶ歴史をもち、
奈良県にある東大寺の正倉院にも鼈甲を使った宝物か
゙残っているなど非常に古くからある伝統工芸産業です。
原材料となるのがカリブ海、インド洋の赤道付近に生息する
タイマイというウミガメの甲羅で、
大きいものは全長180cm、体重200kgにもなります。
タイマイは絶滅危惧種としてワシントン条約以 国際取引か
゛禁止され、1993年以降は全面輸入禁止と なりました。
現在は養殖されたタイマイの甲羅も流 通し始めていますが、私たちが使っているのは、条 約締結前に仕入れた天然の
素材です。 細工の工程は、1甲羅から生地を数枚切り出し、 製品の形と模様が上手く合うよう組み合わせる 2 接着面を
滑らかに磨き、水につけ、熱した鉄板に挟 み圧力をかけて
貼り合わせる 3形を整え磨きあげ て仕上げる です。
水での湿らせ方や温度、圧力の 加減などが仕上がりを
左右すること、非常に薄い甲羅で作品に応じた厚みを
作る必要があること、装飾として蒔絵・彫刻・象嵌などを施す様々な加工を行うことから、長年の経験と熟練の技がものをいいます。
「磨いた時に表れる美しい光沢」が最大の魅力